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原因と結果の法則2

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「悪いこと」という名のレッスン
あなたは言うかもしれません。「私は、そもそも、悪いことの闇のなかにどうして入らなくてはならないのだろう。」
それは、あなたが、無知ゆえに、そうすることを選択するからです。
ただしその体験は、あなたにとって、「良いこと」と「悪いこと」の双方を正しく理解するための、また、光の素晴らしさをより明確に実感するための、絶好の機会でもあります。

不安や苦悩、悲しみといったものは、人生のなかを足早に通り過ぎる「影」にほかなりません。
病気、貧しさ、およびその他のいかなる「悪いこと」をも永久に克服し、永続的な繁栄、平和、幸せを手にすることは、誰にでも可能なことなのです。
まずあなたは、「悪いこと」とは何なのかを正しく理解する必要があります。それが、その輝かしい場所へとつづく道の始まりです。
あなたを縛っている「悪いこと」の鎖に腹を立てたり、怒りをぶつけてたりしても、無駄なことです。あなたは、自分がそれに、なぜ、どのようにして縛られているのかを知らなくてはならないのです。
自分の心と人生を、客観的にじっくりと観察してみてください。謙虚さと忍耐を忘れずに、あなたを真の永続的な幸せへと導く教訓の数々を、一つひとつ学んでいくことです。
まもなくあなたは、「悪いこと」はこの宇宙内の無敵のパワーなどではなく、人間が手にする「つかの間の体験」にほかならないことに気づくでしょう。人間が手にする体験には、たとえそれがどんなものでも、意欲的に学ぼうとする人間に対する教師としての機能が備わっています。
そもそも、「悪いこと」は、あなたの外側に存在する避けがたい現実などではないのです。それは、あなたが自分の心のなかで体験することにほかなりません。
自分の人生と心の中身を忍耐強く調査し、分析することで、あなたは徐々に「悪いこと」の原因へと導かれることになります。そのあとであなたが行うべきことは、その原因を取り除くことだけです。
あなたは、そうすることで、あらゆる「悪いこと」を取り除くことができます。そもそも「悪いこと」は、この宇宙内で永続することを許されていないのです。そして、それが根を張ることのできるのは、人生で発生すること、獲得するもの、あるいは接触するものの性質に関する、人間の「無知」のなかだけです。その無知の状態のなかにとどまっているかぎり、人間は延々と「悪いこと」を体験しつづけます。

万物に生気を与えているポジティブなエネルギーである「至高なる善」の光は、つねに宇宙に充満しています。そして、「悪いこと」は、その光のほんのわずかな部分が自我によって遮られてできる、ちっぽけな影にほかなりません。
あなたの内側の闇も、あなたの進化しつつある魂の上を足早に通り過ぎていく、あなたの自我が光を遮ってつくり出した、それ自体では存在できない、ただの影にすぎないのです。
「悪いこと」は、無知の直接的な結果です。しかし、もしあなたが「悪いこと」から学んだならば、その瞬間に、あなたの無知は消え去り、知恵に取って代わられることになります。
あなたは、不従順な生徒が学校で学ぶことを拒絶するように、経験から学ぶことを拒絶し、闇のなかにとどまりつづけることも選択できます。そしてそのとき、あなたには、病気や落胆、悲しみなどの「闇」が延々と与えられることになります。
「悪いこと」から解放されたいのなら、学習の長い道のりを意欲的に歩む決意を、しっかりと固めることです。その学習なくして、知恵はもとより、持続的な平和も幸せも、夢のまた夢です。
あなたは、外の世界が光で満ちているというのに、自分自身を暗い部屋のなかに閉じこめ、光の存在を否定しながら生きたいのでしょうか。
いや、そんなことはないはずです。あなたは、自分の周囲に偏見、身勝手、過ちの壁を築き、真実の光を閉め出すこともできれば、自らの手で築いたその壁を引き倒すことで、あらゆる場所に存在する壮麗(そうれい)な光を、ふたたび一身に浴びることもできます。自分自身の内側にじっくりと目をやり、「悪いこと」は「つかの間の体験」であり、自らつくり出した「影」にすぎない、ということに気づくことです。
そして、あなたの痛みや悲しみや不運のすべてが決して誤ることのない、完璧かつ絶対的な「法則」に従ってもたらされたものである、ということを知ってください。あなたがそれらを手にしたのは、あなたにはそれらを手にする必要があったから、あるいは、あなたがそれらを手にするにふさわしい人間であったからにほかならないのです。
まず、「悪いこと」に耐え、つづいてそれを理解し、それから学ぶことです。それによってあなたは、より強い、より賢い、より気高い人間になれます。そして、もしもその作業をつづけたならば、いずれあなたは、「悪いことを次々と良いことに変えながら、運命の織物を自らの手で巧みに織り上げることのできる人間」へと成長を果たすことになります。

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